凝っていると感じたときに押すと気持ちいい、それが「ツボ」。民間療法だと思われがちですが、世界的にも医療的効果が正しく認められている医療の一つです。

経穴（けいけつ）はもとは中国伝統医学（中医学）に由来し、経験的な見地により見出されたものである。重要な神経、血管、筋走行上に位置したり、体性ー内臓反射等で医学的関連があり、現在ではWHO（世界保健機構）にも治療効果が認められています。

中医学では、経穴は「気と血」のエネルギーの通り道といわれる経絡（けいらく）上にあって、気血が出入りし、経絡が合流したり分岐したりする経絡上の重要なところです。

驚いたことに1991年にアルプスの氷河からで発見された約５３００年前のミイラの男性、通称「アイスマン」の身体」にもツボの痕跡をみる事ができます。アイスマンに残された刺青の位置と、いくつかの経穴の位置が一致していることから、考えられているよりももっと古い時代からツボによる治療が行われており、その起源が中国ではない可能性があることも、近年注目されています。もともとは、石器時代に植物や尖った石などが偶然身体にあたった時に痛みが消えることがあり、そこから石で身体を刺激して治療効果を得ようと発展したと考えれられています。

さらにこれが古代中国の「陰陽五行思想」に取り入れられ、「経穴」として成立したというのがおおまかな成り立ちです。

「経絡」とは身体の内側と外側を通過するエネルギーが通る道、その中継地点であり、エネルギーが注がれる場所が経穴であると考えられています。

WHO（世界保健機構）の定義では、全身の経穴の数は361穴。

　特に

• 筋と筋の間
• 筋と腱の間
• 筋と骨の間
• 関節の膨らんでいる部分

　　に多く存在するとされています。

中医学では「気血榮衛（きけつえいえ）」と呼ばれるエネルギーが経絡を通って巡ることで、身体全体に栄養がいきわたると考えられています。経絡上の中継地点である経穴は、身体の内外に異常があるときに反応が現れるため、異常がある部位の診断、病変自体の治療に利用できるという特徴があります。

こうした経絡・経穴の関係を利用した、診断・治療システムは約2200年前の中国において完成した世界最古の医学書の一つ「傷寒雑病論（しょうかんざつびょうろん）」に登場するほど長い歴史を持つことがわかっています。

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