触診とはその名のとおり「触って診察」方法です。

東洋医学では「未病を治す」という観点から、患者さんのあらわしている症状も、もちろん大切ですが、その人の身体の状態やもともと持っている素因などを判断して、治療してきました。ですから、東洋医学の世界では「病気を見るのではなく、病人を診なさい」と言われます。

実際の治療では、患者さんの一番訴えている悪い場所や、そのほかの症状の場所を触診することはもちろんですが、経穴（ツボ）やその流れの経絡をよく触診します。
触診にあたっては、その場所の触った感じ、温度、押して痛むか、痛みがどの場所まで痛むか、感覚が鈍くないかなど注意して観察します。

脈診には大きく、「比較脈診」と「脈状診」の二つがあります。

現在の日本では比較脈診の一つである「六部定位診」がポピュラーであるが、当院では中国伝統医学を基にした「脈状診」を行っています。

脈状診とは片手の橈骨動脈の拍動を触れて、その打ってくる脈動の感じ方を決められた概念でもって分別して診断を行う。　　　　

この概念を脈状と言い、主に脈の
浮（ふ）、沈（ちん）、数（さく）、遅（ち）、実（じつ）、虚（きょ）などに
大きく分けられる。
脈状はここからさらに分類され主なものは28種類あります。

舌診とは舌を舌尖（舌の先のほう）、舌中（舌の中央）、舌根（舌の根元）、舌辺（舌のまわり）の4つの部位に分けて診ます。

また、舌体の形態、舌質の色、舌苔、舌苔の厚さと苔質などを診て診断していきます