小脳には身体の運動（手足の動き、しゃべるための口・舌・のどの動き、眼の動きなど）をスムーズにする機能と身体のバランスを保つ機能とがあります。

そのため小脳に障害が起こると、

• 手足の動きのぎこちなさ
• ろれつの回りにくさ
• 眼が勝手に動く眼振（がんしん）
• めまい
• 吐き気
• 嘔吐（おうと）
• バランスが悪く身体がふらつく

小脳梗塞ではこれらの症状がみられます。

一方、小脳出血は、頭痛、めまい、嘔吐が特徴てす。もちろん前記の症状も出現します。

一般に脳梗塞や脳出血が起こると、脳が腫れて脳圧が高くなります。腫れた小脳が近くの脳幹を圧迫する場合があります。

脳幹は上から中脳、橋（きょう）、延髄（えんずい）という部分に分けられます。

脳幹は大脳、小脳、脊髄（せきずい）の中継地点であるとともに、脳神経が出る場所としても重要です。

12種類ある脳神経のうち10種類が脳幹にあり、首から上の運動や感覚（眼の動き、顔の動きや感覚、音を聞く、首の動き、口の中の感覚や動きなど）に関係しています。

脳神経は脳幹のいろいろな部分から出ているので、梗塞や出血の場所によって症状は様々です。

脳幹の梗塞や出血では

• 物が二重にみえる
• めまい
• 顔の運動・感覚の異常
• ろれつのまわりにくさ
• 手足の運動・感覚障害

　　　などの症状が見られます。

他の部分に比べて小脳や脳幹の障害による後遺症は難しい症状が多いですが、手足のふらつき、ろれつの回りにくさ、めまいなどの症状は改善する可能性か高いです。

すぐによくなるものではありませんが、少しずつは確実に回復していくのであきらめずに治療していきましょう。